防災について改めて考える

避難経路 災害

1年に何度か、過去にとてつもなく大きな被害があった災害をきっかけとして、防災について考えさせられる機会がある。
まず年が明けてお正月気分が抜ける頃、阪神淡路大震災が発生した1月17日、まだまだ寒いけど、春をちょっとずつ感じ始める頃の3月11日に発生した東日本大震災。そして防災の日とされている関東大震災が発生した9月1日。
過去の大きな災害を思い出して、犠牲になった人たちを弔うと同時に、災害の恐ろしさを忘れず、また今後どこかで起こるであろう新たな災害に備える意味でも重要な機会だ。

その他ざっくりで恐縮だが、熊本、福岡、大阪、能登地方、新潟、長野、福島、宮城、岩手、北海道と毎年もしくは数年に1度は死者も出る大きな地震が起きている。地震以外でも、台風や豪雨、土砂崩れ、火山噴火、大雪など毎年、災害は全国各地で起こっている。

それこそ日本に住んでいて災害に遭わないことなどあり得ない。でも、だからこそいつどこで遭遇するか分からない災害に備えるための防災が必要なのだ。
では、防災とは何だろう。

「防災とは」とググると、「災害を防止すること。」と出てくる。

災害対策基本法第二条には、「災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。」と定義されている。

ウィキペディアで下記の通りもう少し詳しく説明されている。
防災(ぼうさい)とは、狭義には災害予防及び災害応急対策をまとめた概念である[2]。これに災害復旧(被災前の状態に戻す意味)を含める場合もある。つまり「防災」には災害を未然に防ぐ被害抑止のみを指す場合もあれば、被害の拡大を防ぐ被害軽減や、被災からの復旧まで含める場合もある。さらに地域防災計画などでは被災地に新たにより良い社会を創出する復興まで含める場合もある。

災害の概念は広いので、自然災害のみならず、人為的災害への対応も含めることがある。類義語として、防災が被害抑止のみを指す場合に区別される減災、防災よりやや広い概念である危機管理などがある。
「防災」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2023年10月2日 (月) 05:44 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%B2%E7%81%BD

私は「広い意味での災害から私たちの命と健康と生活を守ること」なのではないかと考える。
そしてその概念を3つのフェーズにそれぞれ落とし込むことができる。

まずは、起こる前にやっておくべき「災害への備え」、そして特に大事な起こった時にどうすべきかという「災害発生時の対応」、さらにもう少し踏み込んで、災害を乗り越えて生きていくためには欠かせない「災害からの回復」となる。

災害への備え

「災害への備え」は、まさに防災の核となる部分だ。
考え得るあらゆる種類の災害に備える必要があり、様々な状況を想定して、対応できるようにしておく必要があるが、備えることに関しては人により重要度が異なるため、個人差が大きく出る項目といえそうだ。
日々、私の頭を悩ませている、災害を想定して何を備蓄しておくべきか、緊急避難用の持ち出し袋には何を入れておくべきか、ということも災害に対して備えておく為の行動だ。

「防災訓練」という災害を想定したシミュレーションを経験しておくことは「災害への備え」としてはとても良い防災活動といえる。一分一秒を争う災害時に素早く考えて正しい行動できることは生死を分ける大きな要因となる。

少し余談だが、米国の学校では地震や火事を想定した「防災訓練」(地震対策はシェイクアウト訓練というらしい)と並んで、不審者の銃乱射やテロ対策での「避難訓練」、ロックダウンもしばしば行われる。多くの人を巻き込んで命まで奪う銃の乱射事件は、もはや人的災害と言わざるを得ない。

地震と違って、台風や豪雨、大雪等は今時ほぼ来ることは予想できるし、影響の大きさもある程度予測が可能な為、それ相応の準備はできるのかと思われるが、それでも毎年被害が発生するのは、必ずしも想定の範囲内に収まる事がないからだ。

また、大きな災害を想定して国や都道府県、市区町村が復興計画を立てておくことも重要な災害への備えといえる。

災害発生時の対応

「災害発生時の対応」というのは、まさに自分に危機的状況が起きたときどうするかという事になる。災害発生時の心構えと言ってもいい。

こればかりは、何をするべきかというと起こった時にならなければ分からない。とはいえ、いくつかのやるべきことというのは挙げられている。例えば地震なら、頑丈な家具の下に入り落下物から頭や身を守る、可能であれば火の始末をする、ドアや窓をあけて逃げ道を確保する、海辺ならとりあえず高い場所へ避難するなど。台風や豪雨の際には、増水した河川や海に近づかない。避難指示が出たら速やかに避難する。ただし状況によってはムリに離れた避難所に行かない方が良い場合もある。

災害発生時には、まず冷静な判断と落ち着いた行動が必要だろう。身の安全を確保してからその先どうすれば良いかを考えればいい。

災害からの回復

私たちの生活を破壊するような被害をもたらす災害は、そう頻繁に起こるものではないが、過去に何度も起きてきたし、今後も起こるだろう。家が壊れたり、住むところもなくなるかもしれない、住んでいた地域ごと壊されるかもしれない。大災害が発生したら私たちが立ち向かうすべはなく、先ずは一旦受け入れるしかない。そして、みんなで協力して復興するのだ。

理想的なのは、実現可能な復興計画を基にできるだけ早く「元の生活」は難しいかもしれないが、安心して暮らせる「新しい生活」を送れるようにすることだろう。いち早く復興するために、いつ何時、どんなことも起こりうるという心構えで日頃から生活していきたい。

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